12月16日に投票日を迎える衆議院選挙。当初、旋風を巻き起こすと見られた日本維新の会だが、ここに来て伸び悩みが目立つ。目玉候補たちの集票力も看板倒れのようだ。
維新は東京の石原慎太郎代表、近畿に東国原英夫氏、北陸・信越が中田宏氏などブロックの比例名簿1位に知名度が高い候補を搭載し、選挙区から出る小沢氏、松野氏、山田氏らも新人より比例上位(重複)で処遇している。
例えば、北陸・信越ブロックの小選挙区には8人の候補がいて、いずれも当選圏内は遠く、比例で復活当選に期待をかける。ところが、比例の維新の当選予測は1議席であり、選挙区で新人が頑張って票を稼いでも当選は比例単独の中田氏1人ということになりかねない。
維新の新人候補は「捨て駒にされるのではないか」と疑心暗鬼になっている。
「比例名簿上位の著名な候補が1人で2人分、3人分当選できる票を集めてくれるなら有り難いが、このまま風が吹かなければわれわれが比例で復活当選できる可能性は低い。お金(供託金、宣伝費)まで払って幹部を当選させるための選挙運動をさせられているんじゃないかと思えてくる」(維新の関東地区の候補者)
維新では、公示直前に公認内定候補の出馬キャンセルが相次いだが、背景にはそうした事情があったことがうかがえる。
※週刊ポスト2012年12月21・28日号