食い物の恨みは恐ろしいなんてことがよく言われるが、年をとってから急に食べ物に対する執着が強くなるというパターンも。千葉県に住む女性、パート勤務のKさん(52才)の夫(50才)も、そんなひとり。たまたま夕飯が用意されていなかっただけで、まさかのマジギレ…。Kさんが告白する。
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若いころはあれほど意地汚い男じゃなかったのよ。それがトシをとるほど、食べ物に執着するようになって、もう話すのもためらうほど。
この前はね。夫は会社で夕飯を食べて午後10時過ぎに帰宅する日だったの。それがどうしたワケか午後7時半。私とふたりの息子が、鍋を食べ終わろうというときにピンポーン。帰ってきちゃった。
早めに帰ってくるなら連絡くれれば用意したのに、ご飯なんてないわよ。と、言いながら、いつもは何かあったんだけど、あの日に限って冷蔵庫は空っぽだし、冷凍室を開けてもご飯もうどんもない。野菜も鍋にして食べちゃった。
「いいよ。インスタントラーメンで」と言うけど、それもない。「コンビニのお弁当でも買ってきたら」と言ったとたんよ。夫の顔色が変わったの。
「おまえ、うちの中で食いっぱぐれるのがど~んだけミジメか、わかんないのか。コンビニの弁当を、家でひとり食うのが、どんだけわびしいか…」
テーブルの上の空っぽの鍋をジーッとニラみながら、そこまで言うからさ。なら、鍋の底にこびりついた豚肉のカケラと白菜をこそげ取ってあげようとすると「ふざけんなっ。それが一家のために汗を流して働いているご主人様に出すメシか」ってマジギレされたわよ。
※女性セブン2012年12月20日号