民主党不利との下馬評となっている今回の衆院選。千葉4区で野田佳彦首相と戦うのは、三宅雪子候補(47才)だ。国会で野党ともみあって転倒、まつば杖で登院したと思ったら、酔って自宅ベランダから転落して大けがを負うなど、民主党議員時代は何かと話題を集めた三宅氏。
師と仰ぐ小沢一郎氏(70才)とともに民主党を離党、「国民の生活が第一」へと移った“小沢ガールズ”の筆頭格だ。「生活が第一」が滋賀県知事・嘉田由紀子氏(62才)が結党した「日本未来の党」(以下、「未来」)に合流すると、同党から現職総理への“刺客”として千葉4区に送り込まれた。
12月5日、午前7時40分。三宅氏は通勤客でごった返す西船橋駅北口のロータリーにいた。拡声器も使わず地声で叫ぶ。
「原発なくします! 三宅雪子です、よろしくお願いします!」
行き交う人々のほとんどは視線を向けることさえなく通り過ぎていく。それでもあきらめることなく、のどをからしながら叫び続ける三宅氏。
「原発なくします、消費増税、絶対許しません!」
と、60代とおぼしき男性がつかつかと歩み寄り、「頑張ってください」。三宅氏、すっかりガラガラになってしまった声で「ありがとうございます」と返しながら、満面の笑みを浮かべて男性の手を握りしめた。
振り返れば2009年の総選挙でも、三宅氏は小沢氏の命により“刺客”を演じた。相手は当時「前首相」の肩書だった自民党の大物、福田康夫氏(76才)で、選挙区は群馬4区。小選挙区では約1万票差で破れたものの、比例で復活当選。以来、三宅氏の地元は「群馬4区」のはずだった。が、11月の解散直前になって小沢氏の“天の声”により千葉4区に鞍替えし、今回は「現首相」に挑むこととなったのだ。
「日本未来の党は嘉田知事が代表を務めてはいますが、その実、選挙実務はすべて小沢氏が指揮しており、内実は“小沢新党”に近い。対立する大物に女性刺客を立てて話題を得ようとするのは小沢氏お得意の戦術ですが、三宅氏はそれに踊らされている感じです」(全国紙政治部記者)
“落下傘候補”として千葉4区に降り立ってからたった1か月の選挙戦で、どれだけ地元に浸透できるかが鍵になる。
※女性セブン2012年12月27日・2013年1月1日号