父・田中角栄元首相の威光もあって、選挙にはめっぽう強い田中眞紀子文部科学相(68才)だが、今回の総選挙ではそう簡単ではない。政治ジャーナリストの野上忠興氏(72才)が言う。
「非常に厳しい。新聞各社の調査でも自民党の長島忠美氏(61才)が一歩リードしています。かつて眞紀子さんを支えた後援会も父の代からの幹部が高齢化して、あまり機能していません」
危機感の表れか、田中氏はかつてないほど地元に張りついて、演説会やミニ集会を積極的にこなしている。
ところが、熱気を帯びているはずの選挙事務所はひっそりとし、「留守番なのでよくわからない」という人が座っているだけ。
「秘書はしょっちゅうクビになるみたい。2m離れてはいけないし、1m以上近づいてはいけない。ちょっとでもでしゃばればクビだし、よかれと思って気を回しても、それがお気に召さなかったらアウト」
と地元関係者がこっそり話してくれたが、さすがに「人間には敵か家族か使用人の3種類しかいない」と言ったといわれただけのことはある。
“失言”が報じられるのを警戒してか、演説会などにはマスコミ関係者は出入り禁止。そこで集会から出てきた人に話を聞くと、
「安倍さんとか石原さんとか、人の批判が多かった。長岡に応援演説に来た野田さんのことも“バカよのぉ”って言ってたわね」(50代女性)
そして演説の最後にはこんな発言もしていたとか。
「ただバッジつけるだけだったらしょうがない。私は3回も大臣やって、ちゃんと階段を上がってるんですから! あと上がるところはあそこしかないと思ってますけどね」
“あそこ”とは総理大臣の椅子に違いない。集会の後は、夫の田中直紀前防衛相が「本人に代わって私が握手をさせていただきます」と言って会場内を挨拶回り。元大臣の夫をアシスタントにするあたりは、たしかに総理大臣の風格なのだが…。その前にこの選挙を乗り切れるのかどうか。
※女性セブン2012年12月27日・2013年1月1日号