【書籍紹介】『破産』/嶽本野ばら/小学館/1470円
小説が書けなくなっていたのに、元カノの靴乃コと高級料理を食べるなどの浪費生活を続けていた僕は、ある日、300万円以上の借金を抱え、返済のための資産も収入もない現実を突き付けられる。
不況が長引き、誰もが僕と同じ立場になる可能性があるだけに、身につまされるエピソードが連続する。ただ終盤になると、著者が得意とする幻想的な物語を織り交ぜながら、僕の再生が描かれていくので前向きな気分になれる。
※女性セブン2012年12月27日・2013年1月1日号