多くの人に愛された中村勘三郎さん(享年57)。女性との噂も絶えなかった。若かりし頃に交際をしていた太地喜和子さん(享年48)、大竹しのぶ(55才)、宮沢りえ(39才)、米倉涼子(37才)…。しかし、「それも芸の肥やし」と勘三郎さんの妻・好江さん(53才)は堂々としていた。二代目市川小太夫の次男で、歌舞伎研究家の喜熨斗勝さん(77才)が言う。
「勘三郎さんの心の中では、好江さんは絶対。好江さんは楽屋に手作りのお弁当を届けるなどして、いつも勘三郎さんを支え、勘三郎さんもそれにとても感謝していました。彼が何をやっていても好江さんを忘れないことは、周りの人はみんな知っています」
そして勘三郎さんの“最後の女”と呼ばれる女性がいる──。勘三郎さんは2010年に患った突発性難聴で闘病生活を送っていた際、しきりに「会いたい」とある女性の名前を繰り返していたという。明かすのはある歌舞伎関係者だ。
「椎名林檎さん(34才)です。もともと椎名さんは『同じ時代に生きててよかった』と語るほどの勘三郎さんのファン。公演もよく見に行き、勘三郎の名前を襲名した2005年ごろから親しくなったそうです。勘三郎さんは『林檎ちゃん』と呼んでかわいがり、親しい歌舞伎役者には“恋人”と紹介することもあったようです」
客席での椎名は帽子を目深にかぶって目立たないようにしていたが、休憩時間の合間には、野田秀樹や大竹など勘三郎さんの親友にビールを配る気遣いを見せていたという。
椎名は2007年、勘三郎さんの歌舞伎公演に『玉手箱』という挿入曲を提供。勘三郎さんの訃報に際しては、「未だ現実を受け入れられずに居ります」「親兄弟を除き最も親身になってお導きくださったかたです」との追悼コメントを残した。
※女性セブン2012年12月27日・2013年1月1日号