冬になると肌がカサカサに。かゆくて夜も眠れなくなる人もいるという乾燥肌だが、どうすれば改善するのか。その方法を「50代なのに30代に見える」南雲吉則医師が解説する。
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乾燥肌の人にとってつらい季節がやって来たね。室内ではエアコン、屋外では冷たい風と、確かに冬は肌が乾燥する原因がいっぱい。お化粧のノリが悪くなると、女性は気持ちも上がらないでしょう。
保湿クリームを塗ってもあまりよくならなくて、夜もかゆくて眠れないとなると、もうどうしていいかわからないよね。かゆくてかきすぎて、かいたところがただれたり、シミになったりしてしまう人もいるんじゃないかな。
実はぼくも昔は乾燥肌だったんだ。でも今は赤ちゃんのようなすべすべ肌(笑い)。今日はその秘密を教えてあげるね。
さて、秘密を教える前にひとつ聞きたいんだけど、みなさんはお風呂で体を洗うときに、何で洗っている? ナイロンタオル? スポンジ?
そういうもので体を洗った後に、洗面器でゆすいでみると、白い・垢・がたくさん浮くよね。それを見て「わぁ汚れていた! 汚い!」って思う人も多いだろうけど、これは大きな勘違い!
垢だと思っているものは汚れではなく、皮膚の保護膜なんだ。ぼくたちの皮膚は外界とのバリア。外から病原菌などが侵入しないように、表面に「角質」「皮脂」「善玉菌」による保護膜を作っているんだ。
それなのに、大事な保護膜を、ナイロンタオルやスポンジでゴシゴシこすって落としてしまうと、皮脂によって守られていた水分が蒸発して、肌が乾燥しやすくなるんだね。
そう! 乾燥肌の原因は、“お風呂のゴシゴシ洗い!”。
そして、ぼくのスベスベ肌の秘密は、ゴシゴシ洗わずに、手のひらでなで洗いすることなんだ。どんな高級な保湿クリームよりも、自分の皮脂が最高の保湿成分なんだね。
ぼくたち現代人は、そんなに極端に体が汚れることも少ないから、石けんを使わないで、手だけで洗っても充分なくらい。
しっかり洗わないと体臭が気になるって? 体臭は、表面をいくらこすっても、もとから絶たなければだめなんだ。肉やチーズを控えて、野菜、特に根菜類をたくさん食べてごらん。体臭どころか便臭までなくなるよ!
※女性セブン2012年12月27日・1月1日号