変な横文字肩書き、プロフィール盛り込み過ぎ……キラキラ名刺、DQN名刺には気をつけろ。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏がバッサリ斬ります。
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ネットで話題になった「キラキラネーム」「DQNネーム」。かなり無理な漢字をあてていたり、読み方に凝っていたり、アニメなどのキャラと一緒だったりする名前です。「宇宙(そら)」「地球(テラ)」などでもまだいい方で、「来桜(らら)」「 月(あかり)」「火星(まあず)」 など、まあ、何でもありです。
そのキラキラネーム、DQNネームの名刺版が、キラキラ名刺、DQN名刺です。東スポの2012年12月19日付がキラキラ名刺について特集を組んでいます。ずばり、やたらと凝っている、さらには盛っているが故に、逆に痛い名刺のことです。
最新作『「意識高い系」という病』(ベスト新書)でもふれた、意識の高い学生(笑)、セルフブランディングに熱心な人、勉強会や異業種交流会で人脈作りに熱心な人などによく見受けられます。
例えば、次のような特徴があります。
●明らかに盛っている写真付き
いや、写真をつけてくれると、あとで誰だか分からなくなるということを避けられるのでむしろ有難いのですが、それが盛りすぎの写真だと誰だか分からなくなります。男性の盛りまくりジャニーズ系イケメン写真などは、「俺にその写真を見せられても」と言いたくなります。女性の写真で盛りまくりなのは、まるでキャバ嬢かと言いたくなるくらいのものもありますが、本当のキャバクラ同様、写真と違っていてがっかりということも。やれやれ。
●自分の肩書きを作っている名刺
「わくわくクリエイター」「ライフスタイルクリエイター」「◯◯アクティビスト」などです。ハイパーメディアクリエイターなみに、冷静に見るとやりすぎ感があって、香ばしいですねぇ・・・。
●色に凝りまくりの名刺
カラフルすぎると逆に痛いですね。
●経歴を書きまくりの名刺
「履歴書か!」って言いたくなるような、これまでの経歴をすべて書いてある名刺をよく見かけます。いかにも、キャリアを積んできたぞとか、いまは独立しているけど昔は立派な会社に勤めていたんだぞっていうアピールが見え見えで痛いです。
●座右の銘を書く
これもきましたね。名言の受け売りしまくりです。本人の実態と乖離していてびっくりということも。
●アカウント、載せまくり
Twitter、FacebookなどのアカウントやブログのURLなどを入れまくり。ありったけの個人情報を載せているという感じですね。この手の人は、ちゃんとフォローやリンク申請をしないとあとで面倒だったりします。
まあ、この点、Twitterのプロフィールと近いですね。
総合商社、コンサル志望/10代までアメリカ、シンガポール育ち/慶應経済3年/三木谷浩史氏と孫正義氏に心酔(2人とも会ったことあり)/FC東京好き/学生団体○○ 代表/アジアビジネスに関心あり/TOEIC950点/ビジョナリーカンパニー2、ドラッカーを愛読/フォローリムーブご自由に
みたいな。
ある意味、一億総無限就活社会がきているような気がします。名刺がエントリーシートと化しているような。ずっと自分のアイデンティティに困っているような。前向きに捉えるとしたなら、社会や会社の中で自分の居場所をつくりたい、自己主張をしたいということなのでしょうけど。
こういう名刺を見かけたら、「ぶっちゃけ、お前、この名刺ほどはすごくないぜ!目を覚まさそうぜ!」と言葉の張り手をかましてみましょうね。