夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、金属メーカー勤務のご主人(53歳)。奥様(52歳)とは結婚して25年。銀婚式です。
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せっかくの25年目だし、「新婚時代の儀式を復活させよう」ということになりました。朝夕のキスです。仕事始めの朝、出勤する僕に向かい「ハイ、やって」と唇を突き出す女房。でも、ひょっとこみたいで、とてもそんな気分にはなれず、「ごめん、パス! その代わり、夜の方は週1回、金曜の夜にと決めよう」「本当? 頑張ってくれるの!?」女房の上ずった声を聞くなんて何年ぶりかです。
そして金曜日。女房に声をかけると、「今、チャン・グンソクのドラマを見てるの。終わったら行くから待っててね」。ところが、ドラマが終わっても来ない! 見に行くと、テレビをつけっぱなしのまま、ソファで高イビキ! 完全に萎えました。
この1年間の総決算ですか? 僕の拒否で朝夕のキスはゼロ。女房の拒否で、金曜の夜のベッドもトータルゼロの我が家でした。
※週刊ポスト2013年1月1・11日号