新たな年を迎えようとしている今日この頃です。そんな時期だからこそ、夫婦仲は良くしたいもの。何か特別なことがあった時に妻が夫を少しは立ててあげればうまくいく、というのは漫談家の綾小路きみまろさん。そんなきみまろさんは「夫の甲斐性」を評価してあげよ、と説きます。
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私の知人が嘆いておりました。「この前、競馬で儲けたから、“たまには回転寿司じゃなく、高いお寿司をご馳走しよう”と女房を連れてったんですよ。でも、そのセコさにうんざりしてしまいました」。
ご主人が「本場、富山県氷見の寒ブリを頼もう」と言うと、奥様、内心では「まぁ、本場の“ブリ”なんて久し“ぶり”」と思いながらも「高いんでしょ? 私はいいわ」「それじゃ、大トロにするか?」「いらない。赤身でいい」。これではおごり甲斐がありません。興ざめです。
部下のOLなんかは逆です。「氷見の寒ブリだよ」「キャ~、こんなおいしいのって初めてですぅ~」。“ブリ”ッ娘のポーズでご主人の顔をジッと見つめます。「大トロも食べる?」「ハイ! 私、アワビも頼んでいいですか?」。
奥様は、お酒をすすめても、「私はお茶でいい。あなたもほどほどにして」だったのに、OLは、ほろ酔い気分で、「ごちそうさまでした。また、誘ってくださいね!」。
奥様、ご主人の不倫というのは、こういうところから始まるのです。
寿司屋では「高いんでしょう?」はNG。「“ハウマッチ”?」も、「“いくら”?」も禁句なのです。
※女性セブン2013年1月10・17日号