2012年は大国のトップ交代が相次いだ。ロシアのプーチン大統領、アメリカのオバマ大統領、そして中国の習近平総書記。日本、韓国でも新しいリーダーの下、2013年の幕が開ける。
日本周辺では領土問題でかつてないほど各国が野心を剥き出しにし、世界に目を転じれば欧州の金融危機はまだまだ一触即発で、世界市場を舞台に通貨戦争へと突入している。 「失われた20年」の間、改革を先送りし続けてきた日本は、世界から「過去の大国」と見られている。どんなに虚勢を張っても、その事実は動かしがたい。
“借金”は1000兆円に達し、貯蓄を食い潰して時をやり過ごすことも限界だ。待ったなしの危機がいよいよ訪れようとしている。
中国共産党のある幹部はこんな言葉を口にした。「アメリカが羨ましい。オバマが失敗しても、それを選んだ有権者に責任があると言えるのだから」
この皮肉は日本にも通用する。ころころと政権が変わるのはもちろん第一義に政治家に責任があるが、最終的には有権者が責任を問われるのが民主主義の定めである。
この総選挙を真に日本の再出発地点とするためには、政治の前に、まず我ら国民が変わらねばならない。
※SAPIO2013年1月号