せきやくしゃみをしたり、スポーツで力んだとき、あるいは重い荷物を持ったときなどに「あっ」とくる軽い尿もれ。実は40代なら半数近くが経験していることが判明している(ユニ・チャーム調べ)。
「女性なら誰にも起こりうることなのに、外出が億劫になったり、気分が滅入ったりする人が多いのが残念ですね」そう語るのは、女性医療クリニックLUNAグループ理事長 関口由紀さん。
「女性の軽い尿もれの多くは、膀胱を支えている骨盤底筋が緩んで起こる“腹圧性尿失禁”。体質もありますが、出産や肥満、加齢、ストレスなども原因。現代女性なら誰でも起こりうる症状なのです。
クリニックでは、まず自分で行う簡単なトレーニングを指導。月1回下着にしみる程度の軽症なら、これで7~8割は改善します。ほかにも薬物療法から外科手術まで、症状や希望に合わせた治療法があり、また市販の専用吸水ケア用品も尿やニオイを外にもらさない機能が優秀で、心強い味方です。
これらを利用しながら積極的に対策するかどうかで、症状の改善に大きな違いがでます。明るく前向きに対処することが大切です」(関口さん)
関口さんも勧める尿専用の吸水ケア用品を、日本で初めて発売したユニ・チャームによると、専用品の認知度は高いが、まだまだ生理用ナプキンやおりものシートで代用している人が多いという。モニター調査などで、ユーザーの生の声もリサーチしているという同社グローバルマーケティング本部の加納淳子さんに聞いた。
「尿専用吸水ケア用品と生理用ナプキンは、一見すると似ていますが、中の吸収体の性質がまったく違います。吸水ケア用品はさらさらの尿をしっかりと固めて逆戻りさせない高分子吸水ポリマーの吸収体。一方、生理用ナプキンの吸収体は粘度のある経血に適したパルプ層が主流です。生理用ナプキンでは尿を固めることができないので、尿の量によっては逆戻りやもれが生じ、不快感を感じているかたも多いのではないかと思います」
同社の調査によると、尿もれが原因の悩みで多いのは、長時間の外出をするのが心配ということ。いつ起こるかわからない、外出先で服を汚してしまうのではという不安は、気軽に人にも相談できず、生活や楽しみを制限することにもなりかねない。
※女性セブン2013年1月10・17日号