帰省して親と久しぶりに話をするこの時期こそ、いつかはやってくる「介護」の問題に備える絶好の機会。
介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんはこう語る。
「介護の準備は、コミュニケーションから始まります。できれば、体が元気なうちに親や夫の意思を確認しておくといいでしょう。毎日顔を合わせる妻や娘より、離れて暮らす子供のほうが話をしやすいケースもあります。
本人といちばん話をしやすい人が介護施設や入院したときはどうするかなど、少しずつ話をしてみましょう。どうしても話しにくい場合は、かかりつけの医師から話をしてもらうという手もあります。 家族が集まる年末年始は、介護を考えるいい機会。きょうだいや子供たちとの間で介護が必要になったときの役割を決めておくのもいいでしょう。帰省の際に、ご近所さんに何かあったら声をかけてくださいとお願いするなど、親の周りに頼れる人を増やしていくといいですよ。今は介護サービスも選択肢が増えているので、元気なうちから試してみては」
親や夫の気持ちを聞き出すには、会話シミュレーションをしておいたほうがいい。
「いきなり『介護』のことには触れず、まずは体調を気遣うなど『相手を思いやる』意思を見せること。また、きょうだいや子供たちと相談し、いちばん気軽に話をできる人を決めておくといいでしょう」
また、太田さんは、介護はひとりで抱え込まないことが大切だという。
「何かあったとき頼れる人を増やしておきましょう。帰省したときなどにご近所さんやお友達の連絡先を聞いておくといいでしょう」
その一方で、NGの聞き方もある。
「いきなりお金の話から切り出すのはNG。まずは、体調や不安なことなどから話を始め、“親を気遣っている”という気持ちを見せてから、お金の話題に」
保健の加入の有無についても確認には注意が必要だ。
「入院をきっかけに介護が始まることが多いため、保険に加入しているかは確認しておくべき。『体調が心配なんだけど、万が一入院したら保険は使える?』など、話し方に注意して。介護費用は、できれば本人のお金から出してほしいもの。もしもの事があったら、入院や家のリフォームにお金がかかるね、などと切り出してみては」
※女性セブン2013年1月10・17日号