“舞台の第二幕”を前に、彼女たちは獄中でどんな戦略を練っているのか。
首都圏連続不審死事件の犯人とされ、2012年4月にさいたま地裁で死刑判決を受けた木嶋佳苗被告(38才)が控訴してから、はや9か月が経つ。
「木嶋被告の裁判は、問われている罪が多いうえ、資料が膨大。高等裁判所の裁判官は全資料を読んでいくわけなので、準備に相当な日数がかかっているのです」(常磐大学国際被害者学研究所・藤本哲也教授)
とはいえ、過去の重大事件でも、控訴から1年以上がたつケースはほとんどない。早ければ控訴審は2013年2月から始まると見られている。
一方、2件の強盗殺人罪に問われ、木嶋被告と比較されることの多い上田美由紀被告(38才)。こちらも鳥取地裁で2012年12月に死刑判決を受けると、即日控訴した。
ふたりの一審は、いずれも一般市民が参加する裁判員裁判で、市民感覚を反映した結果だった。しかし、控訴審ではプロである裁判官が判断することになる。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう予測する。
「死刑判決が覆ることはありえます。というのも、2件とも自白や目撃証言などの決定的な証拠がないからです。検察側は、犯行に使われた睡眠導入剤と同じものを被告が手に入れたことなどを挙げ、“彼女たちが犯人でなければ説明できない事実が多すぎる”という間接証拠を積み重ねてきましたが、決定的ではない。二審ではそれがどう判断されるのか」
※女性セブン2013年1月10・17日号