FX(外国為替証拠金取引)投資家にとって知っているとお得なのがアノマリー情報だ。アノマリーとは、論理的に説明できないものの、頻繁に繰り返される相場の法則のこと。投資資情報会社の社長などを歴任し、現在は「為替の学校」M2JFXアカデミア学長でもある吉田恒氏が1月のアノマリーについて解説する。
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株式相場における有名な格言の一つに、「ジャニュアリー・エフェクト(1月効果)」という言葉があります。一年の相場の方向性は1月で決まることが多いといった意味になるでしょう。
ところでドル円における「1月効果」を検証して見ると、1月がドル安・円高になった場合と、ドル高・円安になった場合ではかなり差がありました。要するに、1月がドル安・円高になった場合、その年もドル安・円高になった確率は7割程度といった具合にかなり高いものとなりましたが、1月がドル高・円安になった場合に、その年の方向性と一致した確率はあまり高くありませんでした。
以上からすると、1月がドル安という結果となった場合は、「今年はドル安傾向が続くかもしれない」といった感覚を持つ必要があるのかもしれません。
ところで、1月がドル安かドル高か、1月が終わるまで待てないという気の早い方にとって参考になりそうなのは「1月1週効果」という考え方です。実はドル円について調べて見ると、1月第1週の方向性と1月の方向性が一致する確率は結構高くなっていました。つまり、1月がドル安になるかは、1月第1週が終わったところで早々と見えてくることがあるわけです。
さて、そんな1月、ユーロにとっては一年で最もユーロ安・ドル高になる確率が高かった月という特徴があります。欧州統一通貨のユーロは1999年に誕生した通貨ですが、以来、2012年までの対米ドル騰落状況は、1月の場合5勝9敗。つまり64%の確率でユーロ安・ドル高となっていたのです。
12月のアノマリーには「年末のユーロ高」がありますが、年末年始の特殊な需給などの影響かもしれません。
※マネーポスト2013年新春号