ビジネス

消費税アップ効果などで今後3年で50円幅円安進行の可能性も

「2013年はFX投資家にとって歴史的なチャンスの年になる」というのは、FXで8億円稼いだカリスマ主婦として知られる池辺雪子氏だ。池辺氏によると、2013年から円安トレンドが進行し、場合によっては50円幅の円安進行すら想定されるという。その根拠は何か、池辺氏が解説する。

 * * *
 米国の大統領選があった翌年は、いずれも大幅な円安局面となっているのをご存じだろうか。

 例えば、前回の大統領選の翌年である2009年は、1月の初めに1ドル=90円73銭からスタートし、101円44銭まで約10円の円安が進んでいる。また、2005年は、102円69銭で始まった後、年間を通じて円安が進み、12月には121円38銭と約20円もの大幅な円安となった。さらに2001年のケースを見ると、114円33銭から始まって、年間ずっと円安基調が続き、12月には132円00銭まで、やはり20円近く円安が進行した。

 それ以前にさかのぼって、大統領選の翌年のチャートを見てみると、ほぼ年初から円安となっており、平均すると年間約10円幅の円安になっている。それは、当選した大統領が民主党または共和党を問わず、である。したがって、2013年も10円程度の円安が進行する可能性は、十分考えられる。

 そして、2013年には、もうひとつ大きな円安要因がある。それは2014年4月に予定されている消費税の税率引き上げだ。過去、日本では、1989年に3%の消費税を導入した後、そして1997年に税率を5%へ引き上げた後は、いずれも円安となっている。こちらも、約20円以上と大幅な円安だ。

 消費税が導入された1989年4月は、前年の1988年12月の121円から、1990年5月の158円まで、1年半かけて37円の円安となった。消費税導入時の1989年4月の132円から比べても26円の円安となっている。

 また、税率が3%から5%へと引き上げられた1997年4月は、いったんは円高方向に振れたものの、1998年8月まで1年4か月かけて、121円から26円円安となる147円となった。

 消費税を引き上げるということは、人為的にモノの価値が引き上げられ、貨幣の価値が下がることを意味する。したがって、消費税のアップで円安が進行するのは、理屈にかなった動きなのである。

 おそらく、こうした過去のケースから、2014年4月に8%に引き上げられる前から、為替相場は円安を織り込み始めるだろう。したがって、2013年から消費税アップを材料とした円安が進行する可能性は高い。私が2013年は年間を通じて円安基調になると考えている理由である。

 さらに、2015年10月には税率10%までの引き上げも予定されている。つまり、2014年から2016年にかけても基調的に円安が続くことになる。となると、2013年から2016年にかけての3年間は、米大統領選効果による10円の円安幅と、2回の消費税アップによる40円の円安幅を合わせて、トータル50円の円安が進んでも不思議ではないのだ。

 過去のケースがあるだけに、消費税のアップが実施された時点では、材料出尽くしから一時的に円高に振れる局面もあるだろう。また、消費税アップも2年連続がすでに既定路線となっていることから、過去の局面ほど円安が進まないかもしれない。

 しかし、50円幅まで円安が進まなくとも、その半分でも25円程度の円安幅。現在(11月時点)の1ドル=80円程度の水準が、3年後には105円になる計算だ。

※マネーポスト2013年新春号

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン