2012年を締めくくるにふさわしいヒット作が生まれた冬ドラマ。まずは、視聴率20%超を記録した木村拓哉(40才)主演の『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん~』(フジテレビ系)。
「会社を追い出されても、ホームレスになっても、画面から伝わる雰囲気が底抜けに明るい。希望さえ失わなければなんとかなるというメッセージがいい」(ドラマ評論家・丸山タケシさん)
「私、失敗しませんので」を決めゼリフに米倉涼子(37才)がフリーの外科医を好演した『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)は、最終回に驚異の24.4%を記録。早くも、「『相棒』に次ぐ看板ドラマとしてシリーズ化はほぼ決定」(テレビ朝日関係者)なんて声が聞こえる。
一方、映画監督の是枝裕和さんがドラマに初挑戦した『ゴーイング マイ ホーム』(フジテレビ系)は大コケ。阿部寛(48才)、山口智子(48才)といった豪華キャスティングながら、視聴率4.5%に落ちたことも。
大惨敗ながら、実は、この作品の評価は玄人の間で高い。テレビ評論家のこうたきてつやさんはこう言う。
「問いかけるテーマは毎回深みがありました。例えば、さりげなく登場した人の車が福島ナンバーで、『同じ苦労をするなら故郷がいい』などのセリフを残していたりする。淡々とした描き方が、逆に私たちに『忘却の罪』を強く訴えかける」
そんな評価もあってか、2013年1月にオランダで開催される「ロッテルダム国際映画祭」で全10話が上映されることが決定。
「視聴率が低いからといって駄目なドラマではありません。DVD化で再評価される可能性は充分あります」(こうたきさん)
※女性セブン2013年1月10・17日号