安倍新政権発足で政界はご祝儀ムードだが、国民の政治不信がおさまったわけではない。誰よりも政治への懸念を募らせているのが、元政界関係者の長老たちだ。ここでは、初の女性官房長官を務めた森山真弓氏(85)が、女性議員の扱われ方について苦言を呈す。
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最近は女性議員の方も、マスコミや議員総会で積極的に発言しているし、元気があって良いなと思っています。
女性議員だからがっかりした、とか、女性議員だからやってくれるんじゃないかということを有権者の皆さんは考えていない。これは良いことですよ。男も女も関係なく政治家を選べるようになったということです。
その結果、女性議員が減って、女性の思いが国会に反映されないという方もいるかもしれないけど、男性議員が女性に関する問題について何もしないわけじゃないですからね。
それなのに、マスコミばかりがいまだに、「女性だから」という理由で騒いでいる。これは、古いんじゃないですか。組閣人事でも、「女性が何人入った」「女性閣僚が多い」という報道を見ますけど、男女が平等になったんだから、そんなことをあえて書く必要があるのかしら。
田中真紀子さんにしても、蓮舫さんにしても、普通の淑女ですし、後ろ指を指されるようなことはしてないでしょう。それなのに、マスコミが煽るから、女性議員が特別なもののように捉えられてしまっているんじゃないでしょうか。
【プロフィール】
●もりやま・まゆみ:1927年東京都生まれ。1980年参議院に初当選。その後、衆議院に鞍替え。内閣官房長官、法務大臣などを歴任。2009年引退。
※週刊ポスト2013年1月18日号