衆議院で3分の2を占める議席をバックに誕生した安倍晋三政権だが、今夏の参議院選挙で過半数を獲得して始めて安定した政権運営ができる。そこで参議選挙の注目選挙区の状況をいち早く分析した。ここでは北陸・信越地区を見てみる。
新潟(定数2)は民主から生活の党に転じた森ゆうこ氏への刺客に、総選挙で落選した田中真紀子氏が出馬するかが注目される。順当なら自民、民主が議席を分け合うが、維新とみんなを合わせると民主を上回る。自民と日本維新の会、みんなの党が連携すれば民主の議席ゼロもありうる。
長野(定数2)はまず自民が当確。2議席目は得票率で民主と維新が横一線で並んでいるが、引退した羽田孜・元首相の長男、雄一郎氏が抜群の知名度で当選圏内か。富山(定数1)、石川(定数1)、福井(定数1)は自民の地盤が強固で公明党を合わせると5割を超える得票率。
とくに“原発銀座”の福井は過去、参院選で自民が負けた例はほとんどなく、仮に公明が自民と選挙協力せず、第3極政党と「脱原発」で統一候補を立てて「反原発」が争点になる状況でも自民優位。
●野上忠興(政治ジャーナリスト)と週刊ポスト取材班
※週刊ポスト2013年1月18日号