衆議院選挙での圧勝を受けて安倍晋三政権だが、今夏の参議院選挙で過半数を獲得して始めて安定した政権運営ができる。そこで参議選挙の注目選挙区の状況を分析した。ここでは近畿の情勢を見てみよう。
滋賀(定数1)は自民と維新が互角の戦いとなりそうだが、未来代表の嘉田由紀子・知事の参院選転出があれば大波乱。嘉田氏が全国比例で出馬し、公明が自民と選挙協力せず、第3極政党と「脱原発」で統一候補を擁立すれば強力だ。
京都(定数2)は前回圧勝した民主現職の松井孝治氏が引退を表明。民主は議席を失い、自民、維新で議席を分け合う情勢だ。
大阪(定数4)では維新のシンボル、橋下徹市長がいよいよ国政に挑む構え。1人で大量得票が見込まれるだけに出馬する場合は全国比例が濃厚だが、定数1増で4人区となった地元でも維新2議席確保が狙える。残り2議席は自民、公明で分け、ここでも民主凋落が著しい。
兵庫(定数2)は1位維新、2位自民だが、風次第で有権者の投票行動が大きく変わるだけに、公明が自民と選挙協力せず、第3極政党と「脱原発」で統一候補を立てた場合、第3極で2議席独占もありうる。
奈良(定数1)も維新に勢いがある。和歌山(定数1)は自民の世耕弘成・官房副長官の地盤が固い。
●野上忠興(政治ジャーナリスト)と週刊ポスト取材班
※週刊ポスト2013年1月18日号