日本体育大学の30年ぶりの総合優勝などで箱根駅伝(1月2日、3日)は今年も大きな盛り上がりを見せたが、箱根駅沿線の駅は、駅弁や駅そばなどグルメでもかなりの充実ぶりだということをご存じだろうか? 食べテツ評論家・荷宮和子さんがリポートする。
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「箱根駅伝はチキンレースである」
こう書くと「なんだと!?」と気色ばむ関係者がいるかもしれない。なのでフォローさせていただくと「食べテツ界において」という意味である。食べテツとは駅弁や駅そばをはじめとする鉄道関連の食べ物についての総称。そんな食べテツに注目しつつ箱根駅伝コース沿線の駅を見ていくと、チキン絡みの食べ物が多いことに気づく。
まずは東京駅で国技館焼き鳥(600円)をゲット。あの伝統の逸品を東京駅改札内で手に入れることができるのだ。品川駅ではメガチキン竜田そば(常磐軒・490円)に挑む。そのでっかさに最初はひるむかもしれないが、さっくりと揚がった唐揚げはあっさりとしておいしく意外と簡単に攻略できる。
横浜駅ではベストセラーのシウマイ 弁当ではなくあえて横濱チャーハン(540円)を選択。シウマイに加えて鶏のチリソースが食欲をそそる。小田原駅では老舗東華軒のとりそぼろ(200円)をゲット。名物駅弁相模デラックスこゆるぎ弁当にのっている人気おかずを単品でゲットできるのは地元ならでは。
JRから箱根登山鉄道に乗り換え箱根湯本駅に到着したらすぐに後藤商事の立田弁当(650円)を手に入れよう。スパイスだのガーリックだのといった味付けが一般化する前の正しい鶏の竜田揚げが堪能できる逸品だ。かまあげうどん(「かまあげ」さぬきうどん・新橋駅・NRE&めりけんや新橋店・並390円)に半熟玉子天を添え、黒ちゃん玉子(箱根湯本駅・690円)のねっとりとした黄身を味わえば「卵が先か、鶏が先か」問題もどうでもよくなる。
とまあ「箱根駅伝沿線といえばチキン!」な品々が挙げられるわけだがもちろんチキン以外にも名物はある。鉄人弁当(料理の鉄人弁当 神内和牛あか「特製和牛御膳」・東京駅1575円)のピぺラードソース味(なんだそれ!?)のハンバーグをかじっては大人な気分にひたり、穴子天とゆずのコラボ(東神奈川駅・日栄軒440円)にしみじみする。
あるいは鰺の切り落とし丼(ミニ鯵丼・大船駅・大船ホームそば店370円)やナポリタン(BARCA・浜松町駅店650円)で和と洋のB級グルメを堪能。食べテツなら「今日はワンコインですませよう」「今日はおごっちゃうぞ!」のどちらも可なのだ。なあに、おごっちゃうといってもせいぜい「3コイン=1500円」だ。「この駅でしか会えない!」味にあなたも今年はチャレンジしてほしい。
※女性セブン2013年1月24日号