ポルシェ カレラカップジャパン2012シリーズに出走した車両を再現
昨年、コンビニエンスストアの国内店舗数は5万店を突破した(主要コンビニ14グループ合計)。2011年のコンビニの市場規模は9兆円を達成、前年度比伸び率は8.2%で、1997年度以来の高水準を記録(日本フランチャイズ協会調べ)。2012年は、前年ほどの勢いはなかったものの、コンビニ各社はPB商品の強化、宅配への参入など攻勢を続けており、メーカーにとっては、コンビニでの成否がヒットの分かれ目になりつつある時代が到来している。
そんな競争ひしめくコンビニで、どう客の目を引き、商品を買ってもらうのか――。
効果的な手段の一つに“おまけ”があるようだ。近年、ペットボトルの清涼飲料水のおまけが話題を呼び、食品なども参入。最近は、季節限定品や異業種とのコラボなど、ユニークなおまけが続々登場している。一例を挙げよう。
■「お~いお茶 緑茶」「お~いお茶 濃い味」:映画『けいおん!』のオリジナルミニフィギュア、サンタ仕様(全9種)
■「コアラのマーチ」:2箱買って、コアラのマーチオーナメント
■「ミンティア」:2個買って、スマートフォンやミンティアが収納できるスタンドMOBILE PHONE & MINTIA STAND(全4種)
※店舗によっては、すでに終了しているおまけもある
コンビニ商品に付くおまけの傾向と影響力について、流通業界関係者はこう語る。
「最近の傾向として、大人の男性をターゲットとしたおまけが目に付くようになっています。男性はコレクション癖がありますよね。おまけが数種類展開されると、好きなものだと、全部ほしくなる。その分の売り上げアップも期待できるわけです。しかし当然ながら、多くの商品におまけが付くようになると、珍しさも薄れていきますから、早晩、厳しい競争にはなるでしょう」
男性向けのおまけと言えば、筆頭に挙げられるのがカーコレクションだろう。今月、レーシングカーファン垂涎の新しいおまけが登場した。アサヒ飲料が1月8日に新発売した「ワンダ 大人ワンダ ザ・スタンダード缶185g」に付く、「ポルシェ カレラカップジャパン」のプルバックカーコレクション(全6種)である(一部店舗を除く全国のコンビニで販売)。
「ワンダ」はこれまでにも、「GT-R 歴代名車コレクション」をおまけに付けるなど、車ファンを喜ばせてきたが、「ポルシェ」を冠したおまけが付くのは、全飲料メーカー初とのこと。キャップサイズを変更してビッグサイズでの展開を実現、また、彩色のディテールを追及するという力の入れようだ。「ポルシェ カレラカップジャパン」は、世界中で成功を収めているポルシェワンメイクレースシリーズの一つ。数あるワンメイクレースの中でも、最高峰のポジションと謳われている。
本来、おまけは商品の脇役。だが、オリジナリティのあるおまけは時に主従逆転を果たし、コンビニ競争を勝ち抜くための一助となりそうだ。