ソチ冬季五輪まであと1年に迫り、日本にとって何よりの好材料は長くスランプに陥っていた浅田真央(22)の完全復活だろう。12月のグランプリファイナル、全日本選手権で連続優勝し復調を印象づけたが、そこには影の立役者がいた。
浅田をよく知る名古屋のスケート関係者がいう。
「浅田の女性マネージャーのWさんです。大会に同行した際、『3回転半を飛ばなくても勝てるんじゃないかな』と浅田にアドバイスした。浅田はその一言で吹っ切れて、3回転半を回避して見事優勝できた。最近の浅田は周囲にアドバイスできる人間がおらず、やや『裸の王様』になりつつあったが、W氏のいうことは素直に聞く。今回のことで彼女との信頼関係がさらに強まったようです」
W氏は長く浅田のマネージャーを務めているが、とくに2011年末に浅田が母・匡子さんを亡くしてからは、公私にわたる母親代わりのような存在だという。昨年放送されたバラエティ番組では、「ウインクができない」などの細かい浅田の癖をマネージャーが暴露していた。2人の絆はそれだけ強い。
浅田はアスリートのマネージメント会社IMGに所属し、W氏もIMGと契約している。だが、IMGにとっては、このW氏が悩みのタネだという。
「これまでは匡子さんをはじめ浅田家の意見と会社側との折衝で判断をしていた案件を、W氏が浅田の立場を代弁して決めるようになっている。利益を追求する立場のIMGとしては、マネージャーが会社側より家族側の立場になっていることは困る。
たとえばスポンサーのパーティに浅田を出席させたいと会社が動いても、本人に話を通す前に浅田のことを考慮したW氏が断わってしまうようなケースもある」(テレビ局関係者)
とはいえ、浅田とW氏との信頼関係は揺るぎないだけに、「万が一会社とW氏が対立すれば、W氏が浅田を連れて独立するという事態にもなりかねない」(同前)との憶測が生まれている。過去にはIMGに所属していたマラソンの高橋尚子が、同じようにマネージャーとともに独立しているからだ。
IMGは「(W氏との)契約は継続する予定です」としているが、せっかく復調した浅田を何回転も振り回すような事態は避けてほしいものである。
※週刊ポスト2013年1月18日号