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招致への渡英直前「五輪は『心のデフレ』解消する」と猪瀬氏

今回の五輪は「実際は『日本オリンピック』」と語る猪瀬知事

 1月9日の今日「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」会長である猪瀬直樹東京都知事が、招致活動のため渡英する。招致に向けた意気込みや現地で行なう活動のポイントについて、ロンドン訪問を間近に控えた1月4日、仕事始めの猪瀬知事に話を聞いた。

 昨年は副知事としてロンドンオリンピックを視察しているが、今回のプロモーション活動にあたって、ヒントになるポイントはあったのだろうか。

「ロンドンは東京と同じく、成熟した都市。100年ほど前を考えてみても、夏目漱石が留学し、コナン・ドイルが描くシャーロック・ホームズが活躍していた時代が、容易に想像できる街です。これから成長して行く国では、変化すること自体に意味がある街というのもあるが、洗練され、落ち着いた、安定感のある街こそ、オリンピックに適しているという印象を受けましたね」(猪瀬知事・以下「 」内同)

 前回の2016年の招致活動を副知事として経験している点もあるが、取材当日に行なわれた会見でも語っている、長年続けているテニスや空手の有段者であるなど、自身のスポーツ体験があるからこその考えもあるという。

「2016年招致の際は、オリンピック開催都市として東京の環境基準の高さをアピールし、2009年コペンハーゲンで石原前知事がそのことをスピーチした際に、会場内から『ここは国連じゃないぞ』と声が上がった。オリンピックは世界のスポーツ人口増加に貢献するイベントであり、スポーツによって多くの利益が還元されることを伝えられなければ、アピールに繋がらないということです。

 自分自身65歳で東京マラソンに参加し、初マラソンで初完走を成し遂げることができました。スポーツは続けてきたが、走るのは嫌い、歩くのも嫌いで徒歩5分のテニスコートに行くのに、車で2分で通っていたほどです(笑い)。それが家の周りを300m走るところから始めて、1年で42.195kmを完走するまでになった。

 昨年11月20日の誕生日を前に免許証を更新して、新旧の免許写真を見比べてみると、5年前よりも今の方が若い。“これはフルマラソン効果だな”と、強く実感しました。65歳で初マラソン・初完走できるということは、リタイヤしてからもスポーツで若返ったり、より健康になれるということです。それはわかりやすく医療費の削減に繋がるといった、スポーツによる利益が社会に広く還元されるひとつの形でしょう。

 これまでも改革を続けてきましたが、434万票を得たリーダーとして、そして自分自身がスポーツマンである立場からもリーダーシップを発揮して、この招致活動を成功させたいと考えています」

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