【書籍紹介】『しょうがの味は熱い』(綿矢りさ/文藝春秋/1260円)
〈こんなに近くにいるのに、近くにいる気がしないのは、きっと欲しがりすぎているせいなんだろう〉とわかっているのに、奈世は絃のことが知りたくてたまらない。同棲してお互いを深く理解し合って家族同然のようになって結婚するのだと信じていた。
しかし最近の絃は沈んだ表情ばかりを浮かべている。仕事と生活に少し疲れているよう……。同棲と結婚に関する男と女、それぞれの考え方や言い分、すれ違いが克明に浮かび上がる連作2編。
※週刊ポスト2013年1月18日号