今年の日本ゴルフ界の注目は、男子の石川遼、そして女子の有村智恵(25)の米ツアー挑戦だろう。特に有村は昨年の国内賞金ランクでは日本人最高の3位につけるなど実力も十分で、米女子ゴルフ界きっての美形からファンの期待も高い。
だが、意外にもゴルフ関係者の間から不安の声があがっている。スポーツ紙のゴルフ担当記者はこういう。
「日本人ゴルファーのなかでも英語がもっとも苦手なひとり。海外ではトラブル続出で、3年前に米ツアーにスポット参戦したとき、大会事務局からの質問に意味がわからないまま“イエス”を繰り返して、大会を棄権しかけたことがある」
国内大会でも外国人選手と同組になっただけで口数が減り、影響がプレーにも出る。日本で開催される米女子ツアー、ミズノクラシックの昨年の成績は76位と惨敗だった。
有村は米在住のコーチ、ケビン・スメルツに師事し、米女子ツアー出場権を獲得したQT(クオリファイングトーナメント)にもコーチの自宅から通ったが、ケビンコーチは日本語がペラペラで、妻も日本人だ。
「年明けからフロリダ入りする予定で、このコーチとの練習に明け暮れる。つまり、英語のトレーニングをしないまま参戦することになる」(ゴルフ担当記者)
実は海外に挑戦するゴルフ選手にとって“語学の壁”は想像以上に高い。ゴルフメーカー担当者はいう。
「宮里藍は積極的に海外の選手と食事に出かけ、宮里美香は外国人ボーイフレンドを作って英語力をつけたが、英語の準備をせずに参戦した上田桃子は成績が振るわなかった」
ゴルフではアテスト(選手間によるスコア確認)やルールの理解などで意思疎通ができないと、場合によっては失格にもなりかねない。有村のマネジメント事務所は、「米大会のエントリーで勘違いがあったのは事実ですが、しっかりサポートすべく、現地でキャディも選定中です。彼女はヒアリングはかなり上達してるんですよ」(フォロースルー・山下精昭社長)というが、やっぱり心配。
※週刊ポスト2013年1月18日号