正月休みでガラガラの首都高速を1台の車が急いでいた。新春浅草歌舞伎公演の初日(1月2日)を終えた市川海老蔵(35才)が、その足で向かったのは、父・市川團十郎(66才)が入院する都内の病院だった。
「初日の舞台を無事終えました」
海老蔵は、病床の父にそう報告をしたという。
昨年末、京都・南座で行われた中村勘九郎(31才)の六代目襲名披露「吉例顔見世興行」を、團十郎は12月18日から体調不良のため休演していた。京都の病院では風邪との診断だったが、その3日後の21日に東京へ戻り、念のため、冒頭の病院で検査を受けた。すると、肺炎の兆候があると診断され、その日から入院することに。途中、中村勘三郎さん(享年57)の本葬のため、一時退院をしているものの、入院は年を越しても続いていたのだ。
出演予定だった1月2日からの「壽初春大歌舞伎」(新橋演舞場)ももちろん休演している。
「團十郎さんをはじめ、成田屋はいつも千葉の成田山新勝寺で年を越すんです。そして元日は、自宅に門弟などが年始の挨拶にひっきりなしにやってきます。團十郎さんはそんな年越しを毎年楽しみにしてたのですが…。今年は残念なお正月となってしまいました」(歌舞伎関係者)
歌舞伎界には、衝撃的な出来事が続いている。勘三郎さんが急性呼吸窮迫症候群のため亡くなったのは、わずか1か月ほど前の2012年12月5日のこと。
「團十郎さんは、歌舞伎界を支える根っこのような存在だといっていい。勘三郎さん亡き今、4月の新しい歌舞伎座のこけら落としには、絶対に舞台にいなければいけない人です。もし、このまま入院が長引くことにでもなれば、いったいどうなってしまうのか…。今、梨園には緊迫したムードが漂っているんです」(前出・歌舞伎関係者)
※女性セブン2013年1月24日号