ツイッターを中心に、今、女性たちの間で人気がある経営戦略アドバイザーの坂之上洋子さん。ツイートは、秒速リツイートされ、ものすごくたくさんの人にお気に入り登録されている(ふぁぼられるともいう)。恋愛・結婚についてのツイートをまとめた本『結婚のずっと前』(二見書房)は、“短い言葉で本質をついてる”とモデルの小泉里子をはじめ、女性たちの支持を集めている。自身は、エリートの恋人と別れ、当時、無職で貧乏留学生だった男性と結婚した経験の持ち主。中国系アメリカ人の応用数学者の夫と20年連れ添いながら今でも、ものすごく仲良しという坂之上さんに、2012年婚活宣言し合コンに参加するも連敗続きの当サイトのアラサー女性記者が、今年こそは!と、“いい結婚”について聞いてきた。
――ズバリ、結婚相手を選ぶときに重視するべきところを教えてください。
坂之上:心底ズルくない人、かなぁ。ズルくない人はね、結局最後は、みんなに好かれて、なんでもうまくいくと思うんです。
――なるほど。
坂之上:根っから明るくて、裏表がなくて、良いことをしようと思っている人って、そばにいて気持ちいいじゃないですか。
――どうやって見分けるのですか。
坂之上:男の人がどういう人なのかは、「自分以外の人に」どう接しているかをじ~~っと見てたら簡単にわかると思います。
――例えば?
坂之上:一緒にいて、お店の人、路上生活者の人、目上の人、有名人、親。部下。色々な人に接するでしょう? その態度が、ね。それぞれに違うとしたら、まぁ、その程度の人とはつきあわないほうがいいと思います。いつもどこでも誰に対しても誠実な人なのか?って、大事だと思う。
――うわぁ、なんだかわかります。でもいい人だなと思っても、自分がなんとなく好きなタイプじゃない人とはどうすればいいんでしょう?
坂之上:そう思ったらつきあっちゃ駄目だよ~。キッパリ言うけど(大笑)。やっぱりにおいが好きになれない、とか。なんとなく好きじゃない、とか。そういうことって、結婚にはすごく大事だと思います。反対に、なんとなく好き、というのも大事。
――結婚しても、ひとりの人と長続きさせるのは難しいっていいますよね。離婚率も急増している。結婚しても恋愛感情をあせさせない秘訣ってありますか?
坂之上:今さっきも言ったけど、私の場合は、ただ単に、この猫が好き!というのと同じ感じで彼が好きなわけ。もし自分が大好きなペットが交通事故で傷ついて動けなくなっても、動物病院に連れていったりしてすごくお金がかかっても、その後も手間がかかっても捨てたりしないじゃない? 結婚って、単純にそういう感じでいいんだと思いますよ(笑い)。
――なんだかわかる気がします!(笑い)
坂之上:だから、肩書きとか収入とか考えたらいけないですよ。何もなくても横にいて、単純に“癒される~”とお互いが思えたのなら、それでいいんじゃないですかね。実は、私も若い時に一度、彼が仕事を辞めて超貧乏になったことがあったのですけど、好きだから、そんな状態だからこそ一緒に居られて良かったなぁ、とだけ思いました。実際は、引っ越したりしなくちゃいけなくて、悲惨なのによく二人で笑ってました。
――うらやましいです! 本にも同様のことが書かれていましたが、感動的なメッセージでした。他にも秘訣はありますか?
坂之上:あとは、超褒め合うことですかね。うちの旦那は、私が何しても「ほんとに君はすごいよね~」って言うし、私は旦那が何かやると「もうね、あなたはかっこよすぎる」と(笑い)。多分、お互いにこれが癖になってるわけ。いつも何か言葉に出す。それも悪いことは言わない。いいことは何でもすぐに口に出す。それは彼をおだてるつもりもなくて、本当にそう思ったらそう言う。一生懸命、いいなと思ったところを言うのです。きっと、周りから見たらバカみたいです。でも二人の時に二人だけで言ってるのだから、別に誰にも害ないですよね(笑い)。
――心に留めました。結婚したら、参考にさせていただきます! 私は、合コンでも連敗中…。結婚相手はどうやって見つけるものでしょうか…?
坂之上:ね、合コンで相手みつけるなんて、そんな手間なことしないほうがいいよ。
――え? どういうことですか?
坂之上:結婚って80才ぐらいまで一緒にいるんだよ。その人の親も面倒みなきゃいけない可能性もあるし、途中で仕事が無くなったりとか、子供が病気になったりとか、なんでも起きうるからね。だから、本当に心が通じる人と一緒になるしかないのよ。
――いや、もちろんわかっています。でも出会いが…。
坂之上:それは、まずは自分の周りに好きな人を揃えていくの。自分が読書会でもヨガでもなんでもいいから超楽しいところに身を置く努力をするの。
――女子ばかりでもいいのでしょうか?
坂之上:もちろんいいよ。でも徹底的に自分の好きなところを探すの。今の女友達は本当に自分で選んだの? たまたま職場が一緒とか、そういうんじゃない? 合いそうなサークルを探すの。そこに行っても、合わないなと思ったら、また別の場所を探し続けるの。結婚相手を探しに行くんじゃなくて、自分が楽しい場所を探しに行くの。例えば、同じランニングサークルでも、読書会でも、NPOでも、東京に何百もあるでしょう? ひとつ楽しくなくても、自分が心から楽しいと思える場所をとにかく探すのが大事だと思うのですよ。
――ふむむ。
坂之上:それを一生懸命やってるうちに自分に合う活動や人が見つかるでしょ? そしたらそこで自然とみんなと友達になるじゃない? そういう友達の友達は、だいたい気が合うのよ。
――気の合う友達の友達は気が合う、確かにそうですね。
坂之上:その時に、あなたは自分の居場所が見つかって、自分の好きなことをやっていて、きっとキラキラといい顔をしていると思うの。いい顔をしている人のところに人は人が寄ってくるから、そこで新しい出会いもある。それを続けていたら、絶対に出会えると思います。運命の人に。
――あぁ、本当にそうですね。会いたい人は合コンに来ていない気がしてきました。
【坂之上洋子(さかのうえ・ようこ)】
米国の大学を卒業。米国でデザイナーとして数々の賞を受賞。米国のコンサルティング会社の副社長を経て独立。15年以上の海外生活後、東京へ。現在は、社会貢献系プロジェクトを中心に活動し、“アドボカシー・ストラテジスト”として政府や大使、企業経営者、NPO代表のアドバイザーとして活躍中。恋愛・結婚に関するツイートをまとめた本『結婚のずっと前』は、現在7万部。新刊『PRESENT プレゼント 世界で1番大切なことのみつけかた』(メディアファクトリー)も発売中。