「きんは100シャア、ぎんも100シャア」そんな名セリフで日本中を沸かせた双子の100才、きんさんぎんさん。あれから20年が経ち、ぎんさんの4人の娘たちも今や平均年齢94才。今年2013年は“あんねぇ”こと長女・年子さんが数えで100才を迎える。年子さんが「私は、今年こそ死ぬよぉ」と言ったのを合図に、4姉妹の“終活”談議が沸騰した。
昼過ぎに始まった4姉妹の“終活”談議は、底抜けなまでに明るい。するとしばらく黙って、話に相槌を打っていた年子さんが突然、こんなことを言いだした。
年子さん(長女・99才):「“千の風”になるんもいいが、ピンピンコロリで死ねるとしたら、目下の私の大問題は“最後の晩餐”だが」
千多代さん(三女・95才):「あんねぇは、この世におさらばする間際まで、食い意地を張るだが(笑い)」
年子さん:「おかしいと笑うだろうが、なんちゅうたって最後だもん。好きなものを、思う存分に食べて死にたい」
百合子さん(四女・92才)「私は真っ白なご飯に、漬けもんと味噌汁でええと思っとったが、あんねぇの気持ちぃ、わからんでもないにゃあ」
そこで日ごろ、肉類に目がない年子さんが挙げたのは、やっぱりフライドチキン。思いを巡らした百合子さんは、タラバガニということに。
千多代さんは「うーん、私はね、鯛の煮付けがいいな。これをいただけりゃ、もう、思い残すことはありゃせん(笑い)」
美根代さん(五女・90才)「そりゃあ、めでたいだがね。千多代姉さんが鯛なら、私は川魚にしよう。ほーら、鯉の甘露煮、あれはおいしいよぉ。でもにゃあ、4人ともこんだけ食い意地があるだで、お迎えはなかなか来んような気がする」
話は大笑いになって続いたが、4姉妹は揃ってこの世への遺言はないという。
千多代さん:「ここまでしぶとく生きたでね、いまさら言い遺すことはないだが。強いて言うなら、“みーんな、与わった命を粗末にせんと、明るく面白く生きんしゃい!”ということに尽きるだがね」
年子さん:「そうそう、妹の言うとおりでございます」
そんな姉妹たちの今年いちばんのイベントは、母・ぎんさんの13周忌(2月28日)。これをつつがなく迎えることが、4姉妹の共通の目標だ。
美根代さん:「今年も精を出して、“お化け”か“妖怪”かと言われるぐらい長生きしていくよぉ。おっかさんも空の上から“おみゃあたち、こっちに来るんは、まだ早いぞぉ!”って、笑いながら見てござると思うだでねぇ」
4姉妹の“終活”は、まだまだ先になりそうな気配だ。
※女性セブン2013年1月24日号