不況のあおりを受け、タクシー運転手の平均年収は減少傾向。2010年度は278万円(厚労省調査)だった。しかし、なかにはしっかりと稼いでいる運転手もいる。
『タクシーほど気楽な商売はない!』(光文社刊)著者の下田大気氏は、法人タクシードライバーとして年収800万円を稼ぐ。
「細かい場所は企業秘密だけど、山手線内のオフィス街を中心に回っている。サラリーマンは都内の短い移動なら経費で落とせるからね。
不況の時代、長距離のお客さん(ロング)より、街中で手を上げてくれる人(流し)や、駅などのタクシー乗り場から乗ってくれる人(付け待ち)を狙うべき。1000円、2000円だけど、距離より回数で、効率よく動くのが勝利の方程式ですね」
また、年収1000万円という都内の個人タクシー運転手もこう話す。
「場所はいえないけど、朝は住宅地を走ってるんだ。そうすると、羽田空港や品川駅に行きたい出張サラリーマンや旅行に行く高齢者など、けっこういい客が乗ってくれる。雨の日なんかほぼ100%客を拾えるよ。
羽田や品川、東京なんかは、客を降ろした後にまた拾いやすい。それに、前の晩にインターネットで、都内で行なわれるイベントなどを必ずチェックして、人の流れを常に頭に入れているよ」
こうした“企業努力”で差がつくのは、どの業種でも同じということか。
※週刊ポスト2013年1月25日号