西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬の“成人“について解説する。
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全国的に成人式を迎える今日この頃。日本では20歳からが一応大人ってことだけど、犬ってのは、果たしていつから大人なのか?
コレ結構難題。性的な成熟度、肉体の発達、行動の落ち着き具合など、視点によって変わる。
まず、性的な成熟度。メスが最初の発情を迎えるのは、だいたい6~8か月齢頃。オスがマーキングを始めるのもこの時期。子どもは産める。ただ、まだまだ、大人とはいいがたい。このあたりはいわゆる第2次性徴期なわけで、人間でいえば中学生。
肉体の発達具合から見るとどうか。犬の成長が止まるのは、個体差はあるけど、おおよそ1歳過ぎから2歳前あたり。人間でいえば、10代後半~20代半ばってところ。犬にとって、日本での成人にあたるのはまさにこのあたりですな。
もっとも、成人にあたる年齢っていっても、人間も犬も、行動的には落ち着いた大人の立ち振る舞いには、まだまだほど遠い。
落ち着き具合から見るとどうなのっていうと、多くの飼い主が犬の落ち着きを実感するのは、3歳ぐらい。これ、人間の年齢でいうと、20歳代後半。そろそろ所帯でも持って身を固めようか、って年齢。ま、うなずけますわな。
えっ、「なんか、はっきりしないな」って? そんなもんですよ、大人の定義なんてもんは。
そもそも日本、20歳で成人たって、考えてみれば、単なる法律上の区切り。これからは、税金とか収める義務が生じるもんね。それと犯罪はちゃんと罰しちゃうもんね、そのかわりお酒とパチンコ・競馬とかは許してあげるかんね、って、なんか管理する側の都合っていえなくもない。
※週刊ポスト2013年1月25日号