2月4日に発売する予定だったAKB48・河西智美(21才)の初ソロ写真集『とものこと、好き?』(講談社)。一糸まとわぬ姿の河西のバストトップを金髪の少年が後ろから手で隠しているという“手ブラ”写真の表紙が大きな話題を呼んでいた。
しかし1月11日、発行元の講談社は、その“手ブラ”写真が「少年がバストを隠していたことが社会通念上、読者に不愉快な感情を抱かせる」と判断して発売延期を発表。また1月12日に発売予定だった同社のコミック誌『ヤングマガジン』(1月29日号)は、問題とされた写真とともに同写真集の告知記事が掲載されていたため、急遽、発売が延期となった。
この写真の何が問題なのだろうか。児童ポルノに詳しい弁護士・奥村徹氏が解説する。
「一見して18才未満の男児が、乳首を触っているように写っているのが問題なんです。『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』(略称・児童買春・児童ポルノ処罰法)の2条3項2号では、<他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの>と規定されており、今回の件は、これに当たります。
ここでいう“性器等”は2条2項で“性器、肛門、乳首”と定義されており、児童が女性の乳首を触っているように見える今回の写真は、規定される法律の号数をとって“2号ポルノ”に該当するのです」
つまり18才未満の男の子が河西の乳首に触れているかのように見えるのが問題なのだ。世界的に児童ポルノへの規制は厳しくなっており、欧米ならば河西や男の子も罰せられる可能性もあるという。そう考えると、出版延期は当然ともいえる。
もっとも、この法律によれば、「例えば、下着や服の上からでも乳首に触れていれば、2号ポルノに該当するんです。しかし法律上、乳首以外であれば問題ないため、乳房を触っていて、乳首が露わになっていても法に抵触しないんです」(前出・奥村氏)というから、素人には難しい。
一方で、日本大学名誉教授(刑法)の板倉宏氏はこう言う。
「性的な行為なのかというところには争いがあると思います。今回は、河西さんの胸を隠す行為であって愛撫はしていないですからね。児童ポルノには該当しないんじゃないでしょうか」
専門家の間でも意見が分かれている河西の“手ブラ”写真。件の写真集は、この写真を除いて発売されることが決まったという。
※女性セブン2013年1月31号