松井秀喜氏(38)の現役時代、WBC出場をめぐって叩かれたこともあった。週刊ポスト恒例のONK座談会、長嶋茂雄氏が病に倒れた2004年から4年間は松井氏が恩師の代役を務めてくれたのが、2005年は、第1回WBC開催を控えた12月に行なわれた。
監督を務める王氏から、この対談の場で直々に参加要請がなされている。結果的に出場はならなかったが、後日、王氏に手紙を書くなど、本人の胸の内はかなり苦しかったようだ。
松井氏への取材を精力的に続けてきたスポーツジャーナリストの古内義明氏は、「彼の日本への思い入れは、人一倍強かった」と語る。
「巨人時代はBMWなど外車に乗っていたのに、“日本人であることを大事にしたい”と、ヤンキースタジアムへの足に使ったのは日本車だけ。車内ではサザンやユーミンといったJ―POPを好んで聞いていました。遠いNYの地で、日本人であることの誇りを持っていた」
気になるのは、日本球界復帰の実現性だ。巨人・渡邉恒雄会長は、「巨人監督の座を用意する」と嘯くが、一方で渡邉氏との確執を報じるメディアもある。しかし本誌は、両者の関係の真相を知っている。前出の座談会で、松井氏はこんな発言を残している。
「渡邉さんはボクの米国生活の師匠なんです。駐在時代の経験から、生活や医療、語学に関するアドバイスをたくさんいただき、支援してくださいました」
もう一度巨人のユニフォームを着た松井氏の姿を見られる日も、そう遠くはないかもしれない。
※週刊ポスト2013年1月25日号