お正月も過ぎ、この時期、余りがちなおもちをどう使うか悩む人も多いのではないだろうか。雑煮も磯辺焼きも飽きたし、どうすればこの余ったおもちを料理すればいいの――そんな悩みに、おもちのうまい食べ方を“ばぁば”こと、料理研究家の鈴木登紀子さんが紹介する。
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朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなってまいりました。でも、もうすぐ立春。暦の上では春はすぐそこまで来ております。
受験生には正念場の時期、親御さんも、頑張る子供たちのお夜食や、風邪を引かないようにと健康管理にはさぞかし、心を砕いていらっしゃることでしょう。
そこで今回も、お夜食にぴったりな旬のおねぎと、おそらくみなさま、「こんなに残ってしまってどうしましょう」とお悩みであろう、おもちを使った「ばぁばのねぎもち」をご紹介いたします。
じつはこの「ねぎもち」は、台北で育ったじぃじ(故人)から教えてもらったおやつにヒントを得て、ばぁば風に仕立てたものです。
台北では屋台文化が庶民の生活に根づいていて、なかでも「葱餅」(ツォピン)という、小麦粉を練った生地にねぎを入れて焼いた定番のおやつは、じぃじの大好物だったそうです。
材料は2人分です。おもちの数を増やしたい場合は、ねぎと調味料の量も様子を見ながらご調整ください。
きりもち小5個は2等分に切ります。ねぎ2本は長めに1cm幅くらいの斜め切りにします。包丁の刃先を手前にスッスッと引くように切ると、美しく切れます。
フライパンにサラダ油大さじ2、バター大さじ1を入れて火にかけます。バターが溶けましたら、いったん火を止めてねぎの半量をフライパンに広げ、おもちをのせます。またその上に残りのねぎをのせます。たっぷりのねぎでおもちを覆うようにのせてください。
酒・砂糖各大さじ3、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ3強を順に加えて(混ぜてはダメよ。上からかけるだけでいいの)、中火にかけて蓋をします。煮立ったら弱火にし、4~5分待って、おもちがトロっとしたらできあがりです。
おねぎのねっとりとした甘み、バターの風味と甘辛じょうゆがおもちに絡んで、なんともおいしいですよ。熱いほうじ茶と一緒にいただけば、もうひと頑張り! と元気も出るはずです。
それから風邪気味のときは、おねぎを直火にかざして焼き目をつけた焼きねぎがおすすめ。さっとゆでたきのこ(生しいたけ、しめじ、えのき茸など)と合わせ、山かけにすると絶品ですが、こちらはまたの機会に。
※女性セブン2013年1月31日号