サッカー日本代表である遠藤保仁(32)や今野泰幸(29)を擁しながら、まさかのJ2降格となったガンバ大阪。代表の遠藤や今野が、J2で戦うことはザックジャパンにとってマイナスにはならないのだろうか。スポーツライターが解説する。
「過去にも、J2所属ながら日本代表に選出され、活躍した選手は少なくありません。今野自身が一昨年、FC東京で経験しています。たしかに、J1のほうが代表クラスの選手は多いですが、今はそれほど気にする必要はないのでしょう。
というのも、かつてはJ1とJ2のあいだには、歴然とした差があり、J2からJ1に昇格したばかりのチームのほとんどが1年で降格、あるいはぎりぎり残留する、といった感じでした。それが2009年頃から毎年、昇格チームが1ケタ順位を記録するようになったのです」
昨シーズンを振り返ると、Jリーグの混沌とした状況がよく説明できる。最後まで優勝を争ったベガルタ仙台は2009年までJ2の常連で、7年ぶりの昇格を果たした2010年は14位だった。それが2011年4位、2012年2位と急激に順位を上げてきた。
Jリーグ創設以来、初の年間優勝を果たしたサンフレッチェ広島は、1994年のファーストステージ優勝を除けば、優勝争いに絡むことはほとんどなく、2008年にはJ2降格も経験。それが昇格1年目の2009年は4位に。その後、2年連続で7位のあと、昨年森保一監督のもとで、突如として花が開いた。
ほかにも一昨年は、柏レイソルがJ1昇格年に即優勝というJリーグ初の偉業を成し遂げている。
「たしかに、2010年の湘南、2011年甲府、福岡、2012年の札幌と、1年でJ2に逆戻りするチームも昔と同様にあります。しかし、2009年の広島、2010年のセレッソ大阪、2011年の柏は、昇格したその年にアジアチャンピオンズリーグ出場権を獲得。昨年は鳥栖が、惜しくもあと一歩及びませんでしたが、リーグ5位と健闘。要するに、2009年以降はJ1とJ2の上位チームの差はほとんどなくなっているといえます」(同前)
それを裏付けるように、ガンバ大阪は天皇杯でも準優勝。J2降格チームとは思えない成績を残した。代表の遠藤や今野がJ2でプレーすることを心配する必要は、ほとんどなさそうである。