司会者のみのもんたといえば、「酒豪」で知られるが、果たしてどれほど強いのか。その驚きの強さをみのもんた自身が語る。
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以前は2日に1回のペースだったけど、この4、5年は毎晩飲んでますね。場所はもっぱら銀座。月曜から金曜まで必ず顔を出してます。“夜の銀座の帝王”ならぬ“銀座の皆勤賞男”ですよ(笑い)。
ハシゴするのは3軒くらい。7軒ってのが記録だけど、翌朝3時に『朝ズバッ!』のスタジオ入りすることを考えたら、やっぱり午後10時にはお店を失礼しなきゃいけない。それぞれ30分が限度です。
飲み比べの思い出といえば、朝青龍とウイスキーで勝負したことがあります。僕は日本男児だから、モンゴルの猛者には負けられない(笑い)。この時は見事、面目を保ちました。元琴風の尾車親方にも、うっちゃりを食わせたことがある。あれもウイスキー。
でもこの前、元大関・武双山の藤島親方に負けちゃったの。親方一人にボトル3本、やられちゃった。こっちがツーッて飲んでる間に、あっちはクイッだもん。ケロッとした顔で、酔っ払った僕を車まで送ってくれましたよ。
だけど、こういう酒は陽気でいいですよ。酒は、心の憂さを晴らすために飲んじゃいけません――実は、僕だって若い頃、酒で鬱屈をごまかしていたことがある。でもある時、女房(スタイリストの御法川靖子さん)にいわれたんです。
「パパ、飲むのはかまわないけど、おいしいお酒にしてね」
女房には、数えきれないほど酒の失敗のフォローをしてもらいました。酒席で失礼をしてしまった方に、「奥様から丁寧なご挨拶をいただいた」と言われたことも度々。ホント、女房には頭が上がらなかった。
それなのに……あいつ、昨年5月に亡くなりましてね。お通夜には、井上弘・TBSホールディングス会長が駆けつけてくれたんです。彼と女房の枕もとで、しみじみ冷酒を酌み交わしました。あれは、一生忘れられない酒になりました。
今でも女房が恋しい。だから、どんなに酔っても必ず鎌倉の家に帰るんです。女房にお線香をあげないと落ち着かない。週末は、彼女の写真の前で飲んでます。
※週刊ポスト2013年2月1日号