夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、住宅メーカー勤務のご主人(54歳)。奥様(54歳)と「食べる順番ダイエット」を始めました。
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まずサラダを食べ、次に魚や肉などのたんぱく質、ごはんやパンの炭水化物は一番最後に食べるというダイエットです。始めて1か月目、僕は1kg痩せて65kgに。女房はというと、「この体重計、おかしいわよ!」何度量っても、以前と変わらず、64kgです。
「なんで同じ物を食べて、アナタだけが痩せるわけ?」納得できない表情の女房でしたが、とんでもないことをいい始めました。
「アナタ、ひょっとして、がんなんじゃない? だから痩せ出したのよ。早く検査したほうがいいわよ」
「なんてことをいうんだ! 2か月前に検診を受けて異常ナシだったんだぞ」
そんな横ヤリ、完全に無視です。それから1か月後、僕はさらに1.5kg痩せて63.5kgに。「なんで私は……」ため息まじりにつぶやく女房より0.5kg軽い体重に。女房にはいいませんが、痩せた理由はわかってるんです。「がんだ。がんだ」といわれ、実は結構気にしてるんです。心の中で叫んでいます。
「精神的不安で痩せて、体重差はどんどん広がっていく。キミの発言は逆効果なんだよ!」と。
※週刊ポスト2013年2月1日号