いつもの料理にひとかけつまんで、ポンッと加える。毎日続けるだけで、ダイエットや美容、健康にいいと話題を呼んでいるのが「たまねぎ氷」だ。
「たまねぎ氷とは、たまねぎを丸ごとぷよぷよになるまで電子レンジで加熱し、ミキサーにかけた後、冷凍庫で固めたものです。たまねぎは健康だけでなく、美容にもいい優れた食材なんですよ」
こう語るのは、たまねぎ氷の考案者で料理研究家・管理栄養士の村上祥子さん。3か月前に発売した著書『病気にならない! たまねぎ氷健康法』(アスコム刊)は、10万部を超えるヒットを記録し、テレビや雑誌でも取り上げられて大ブームとなっている。
村上さんがたまねぎ氷を生みだしたのは、今から2年ほど前のこと。
JA(全国農業協同組合連合会)徳島に講演に出向いたとき、「糖尿病の予防や改善に効く野菜はないものだろうか」と相談された。
そこで、たまねぎを氷にすることを思いついたという。
「たまねぎは昔からスタミナ食材といわれ、免疫力を高めたり、血管を若返らせる効果があることが知られています。
でも、刻む時には目が痛くなり、生で食べるとからい。毎日食べるのは大変です。そこで、あらかじめ下ごしらえしておき、みそ汁や炒め物などに、ポンッと入れられる形を考えたんです」(村上さん)
作り方は簡単。電子レンジで加熱することにより、独特の臭みがなくなり、甘みと旨みが凝縮されるという。徳島での講演後、糖尿病の患者にたまねぎ氷を数か月試験的に食べてもらったところ、血糖値が見事に下がり正常値に。村上さん自身も驚くほどの結果だった。
たまねぎ氷がもたらす健康効果、その謎を解く鍵は「イソアリイン」と呼ばれる成分にある。南越谷健身会クリニックの周東寛院長が解説する。
「たまねぎを切ると鼻にツーンとくる刺激を感じて、涙がポロポロ出ますよね。これは、イオウ化合成分のイソアリインによるもの。
イソアリインは血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぎ、血糖値や血中脂質を下げるのです」(周東院長)
村上さんと周東院長の共同研究では、たまねぎ氷を1日50gとり続けた患者の9割以上に血糖値の改善効果が認められたという。
※女性セブン2013年2月7日号