“見えない歯科矯正”として最近、注目を集めている最新歯科治療システムの『インビザライン』。マウスピースを2週間ごとにつけ替えて、少しずつ歯を動かしていくものだが、マウスピースが透明で装着しているのが一見わからないため、女性を中心に人気だ。1月26日放送のTV『雑学家族』(テレビ朝日系)でも取り上げられ、さらに話題を呼んでいる。
その『雑学家族』でも紹介され、道端ジェシカら芸能人も通う東京都中央区日本橋浜町の歯科医院・インビザライン矯正歯科『トルナーレデンタルクリニック』の龍信之助院長にインビザライン矯正について解説してもらった。
「治療期間は人それぞれですが、だいたい1年から1年半ですね。インビザライン矯正は、極力抜歯をしないようにします。ミリ単位で歯を動かしていくわけですが、いちばん最初の段階で、3Dコンピューターグラフィックスを使ってゴールの歯の位置まで全て設計してしまうんですよ。2週間ごとにマウスピースを着け替えるので、1か月ごとに大きく動かすワイヤー矯正のような痛みはないですし、食事や歯磨きのときには自分で簡単にマウスピースを外せます。ただ唯一のデメリットは、簡単に取り外しができてしまうだけに“着けていないと歯は動かない”ということでしょうか(笑い)」(龍院長)
現在、インビザライン矯正中の美人管理栄養士・渡辺知美さん(30才)にも話を聞いた。渡辺さんは25才から4年間、ワイヤー矯正を経験しだが、治療が終了した後にも歯のぐらつきなどの悩みを抱え、インターネットで見つけた『トルナーレデンタルクリニック』に足を運んだという。
「ワイヤー矯正では見た目はきれいになりましたが健康な歯を4本も抜きましたし、その後も歯のぐらつきや奥歯のかみ合わせが気になっていたんです。インビザライン矯正のことはそれまで知りませんでしたが、外から見て矯正しているとはわからないところに惹かれました。ワイヤーを着けていたときは、口の中は4年間ずっと口内炎だらけ。歯医者さんには“口内炎は慣れてください”って言われてしまうし、何もしていなくても地獄のように痛いんです。常にハサミを持ち歩いて、食事は葉っぱまで全部みじん切りにして、ほとんど噛まずに食べていました。
私は管理栄養士として老人ホームで働いていますが、咀嚼ができないお年寄りのかたも刻み食なんですよ。お食事される様子を日々見ていて、自分で噛むことができなくなり、刻み食になる経過も目の当たりにしているので、何才になっても自分の歯で噛んでいたいと、改めて歯の大切さを感じましたね」(渡辺さん)
インビザライン矯正は、見た目にも気づかれないだけではなく、痛みがないこと、食事や歯磨きにもストレスがないことなどで、その差は「天と地の差」と渡辺さんは言う。ワイヤー矯正では、固い物が食べられないだけではなく、器具やゴムに色がついてしまうようなカレーなども食べられない、歯ブラシはワイヤーに引っかかってすぐボサボサになる…など、とにかく悩みが多かったそうだ。
また、気になっていた歯のぐらつきもインビザライン矯正にしたら治まってきたという。それについて龍院長はこう語る。
「ワイヤー矯正にしても、インビザラインにしても、矯正終了後に保定(ほてい)といって、後戻りを防止する時期が必要になります。歯を動かすスピードに対して、歯の土台となる骨(こつ)を作る時間がかかるんですね。インビザラインの場合はシステムなので、1つのマウスピースで0.24mm以上動かす力がかからないように設定されています。1つのマウスピースを2週間、1日20時間しっかり着用していただき、技術のある医師がきちんとした設計をすれば間違いはないんです」(龍院長)
この最新の“見えない歯科矯正”、今後ますます注目を浴びそうだ。