就職活動シーズンが到来。落ちた学生の間では「見た目が悪かった」など様々な悩みがあるが、この「容姿」は果たして影響するのか。
『本当に使える就活・実践本』や『女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座』などの著書があり、就活事情に詳しい作家の常見陽平氏によると「そこまで気にしないで良い」と語る。
だが、実際にエントリーをする学生からすると「容姿のせいで落ちた」と語る人も時にいる。
「あまりにも僕はデブだったので、自己管理がなっていないと思われたかと思います。結局、30社受けて1社しか内定取れませんでした」(食品メーカー・24歳男性)
「僕はいわゆる“若ハゲ”なのですが、OB訪問をする時だって、OBの方がまずびっくりするんですよ。驚いた顔をした後に“貫禄ありますね。取引先の方と思ってしまいました”なんて言うんです。結局内定は取れましたが、かなり苦労しました」(資材メーカー・24歳男性)
体重については、ダイエットをするなどなんとかなるものの、薄毛についてはどうすればいいのか。常見氏は「見た目で判断するのは言語道断。髪の毛が薄いのは、本人の努力や資質とは違う。そこで振るいにかけないでほしい」と企業に要求をするが、実際はどうなのか。
常見氏は「働いてみてわかったのですが、薄毛の方は、自信を持っている方と、自信を持ってない方の両方がいるんです。自信を持たず、委縮してしまう方を時々見ますが、こういった方は人相までも悪く見え、実にもったいない。『髪の量』だけでなく、『人格』全体を自ら否定している感があります。
実際、自分自身に自信を持った薄毛の方は本当に強い人がいます。アメリカでは肥満の人と喫煙者は自己管理ができていないから出世しない、なんて言われますが、薄毛は違います。自己管理とは異なるところでなっている。だから、別にアメリカでは薄毛の方が評価されないなんてことはない」
働くにあたっての評価において、薄毛は決して自己管理のマズさにつながらないと常見氏は語る。とはいっても、就職活動にあたり、「自分は髪の毛が薄いからうまくいかない」と思う人にとってこれらの指摘は「分かるけど、髪の毛があれば、もっとうまくいく」と考える向きもあるだろう。
だったらどのようにして髪の毛を増やせばいいのか。AGA(男性型脱毛症)治療を専門にする銀座HSクリニックの北嶋渉院長は、脱毛を阻止する方法として、発毛を抑制するDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を抑える必要があると語る。
DHT発生を抑えるには、薬の“フィナステリド”を服用すべく、専門医に行く必要があるわけで、「頭をブラシでトントンと叩く」や「昆布を食べる」といった民間療法ではどうにもならないのだ。頭髪の専門医では、こうした脱毛を抑える薬の飲用のほか、ミノキシジルといった育毛剤を処方してくれる。
「結局、髪の毛を生やすには、フィナステリドの服用と、その後の育毛剤を効果的に組み合わせる必要があるんです。シャンプーで頭皮の脂を取る、とかもテレビCM等でしきりと喧伝されていますが、根本から直す必要があります」(北嶋氏)
北嶋氏は就職活動にあたり、「薄毛をなんとかしたい…」と悩む学生の相談も受けているそうだが、「それだけで自信を失わないで欲しい」と助言をするも、当人からするとかなり深刻な悩みのようで、治療をすることも多いという。「少しでも自信を持つために、頭髪のケアを私どももお手伝いしたいと思います」(北嶋氏)
就職活動も本格化した今、学生は実に厳しい状況にいるが前出・常見氏は「薄毛か否かが就職試験に通るかどうかはそれほど影響しないのではないでしょうか。自らの能力に自信を持ってほしい。この4年間で学んだことを面接官にアピールしてください」とエールを送る。