調査会社・富士経済のリサーチによると、2011年の防災用品セット市場は、3.11の影響で前年比2倍以上の12億円超にまで拡大。その後も震災前を大幅に上回る10億円前後で推移している。しかし、巷には防災グッズがあふれすぎていて、何が本当に役に立つのかわからないという人も多いのでは?
そんな悩みを抱える人に、「震災以降、時間さえあれば防災のことを考えている」と言う細川茂樹(41才)は、
「防災グッズは買った後に実際に試してみることが大事です。そうでないと、本当に使えるかどうかわかりませんから」(以下、「」内は細川)
とアドバイスする。2009年に『家電俳優』(ワニブックス刊)を出版するなど家電好きとして知られる細川だが、最近は防災をテーマにテレビ出演をするなど、今や“防災俳優”といえるほど精通しているのだ。
そもそも細川がここまで防災に興味を持ったきっかけは、
「2011年の東日本大震災の直後は、東京も停電して街中が真っ暗で、コンビニに行っても何も置いていなかった。非常に不自由な思いをしたんですね。今までは家電好きゆえの便利な生活を送ってきたのですが、震災で“ゼロ家電”の状態に置かれたときに、やっぱり普段通りの生活ができないときのことをいろいろと考えなきゃいけないと思ったんです」
しかも、細川は大震災の直前、2011年2月にタレントの三瀬真美子(43才)と結婚。震災後は、夫婦でいかに地震に備えるかを考え続けた日々だったという。
「震災時の連絡の取り方や避難の仕方などのチェックは、今でも出張やイベントがある度に夫婦で欠かさず行っていますよ。
それと、ただ非常時に備えるだけでなく、防災食の“試食会”をするなど楽しみながらやっていますね。『少ししょっぱいから、お湯は規定の線より多めに入れたほうがいいね』とか、『災害用のパンよりも日持ちのするお菓子を準備したほうがいいね』とか、いちいち相談しながら。
あとは、かばんに持ち出すものを入れて、どれくらいの重さなら運べるか試してみたりしました。そういう積み重ねをするうちに、何が本当に役に立つのかわかってくるんですよ」
しかも、これまでなんとなく揃えていた防災グッズを改めて見直してみると、意外にも“これは使えない”というものが多かったそうだ。
「グッズを揃えることだけが防災じゃないんです。自分で一度は食べたり使ってみたりしないと、有事の際に本当に使えるかどうかわかりません。
災害時に自分の身を自分で支えることができれば、本来回ってくるはずの配給などを、他の人に渡すこともできるでしょう? そういった意味では人助けでもあるんですよ」
※女性セブン2013年2月7日号