厚さ1m近いコンクリートにあけられた大きな穴。トンネル内には崩落を防ぐための木の柱がきれいに並べられ、延々45mも続く。そしてその先には……。
1月14日朝、ベルリンで起きた「金庫破り」が話題を呼んでいる。銀行の貸し金庫から株券や貴金属、総額約12億円が強奪されたのだが、話題になっているのはその被害額以上に、華麗なる手口だ。まるでハリウッド映画『オーシャンズ11』を地で行く犯行なのだ。地元の記者はこう解説する。
「近くの地下駐車場の一角を借り切り、数か月とも1年とも見られる間、掘削したようです。トンネル内の木の柱は1000本にも達し、辿りついた金庫の壁には丸い4つの大きな穴が残されていました。なんらかの専用工具を使ったようです」
駐車場は街のど真ん中。誰にも気づかれなかったことが不思議だが、犯行は、周到な準備を重ねた大胆かつ繊細なプロの仕業との見方が強い。そこで浮かんでくる犯人像は、まさに『オーシャンズ11』のジョージ・クルーニーだが、実際に目撃された犯人の似顔絵は、あまりに異なっていた。
犯行には、共犯者もいるといわれ、追手をあざ笑うかのように逃走中とか。
※週刊ポスト2013年2月8日号