「きんは100シャア、ぎんも100シャア」そんな名セリフで日本中を沸かせた双子の100才、きんさんぎんさん。あれから20年が経ち、ぎんさんの4人の娘たちも今や平均年齢94才。五女の美根代さん(90才)と長女の年子さん(99才)は、今でも布団で寝ている。
最近では高齢者の住まいも様変わりし、布団ではなくベッドで眠る人が増えているといわれるが、4姉妹はこれを良しとせず、ずーっと布団を敷いて寝る生活にこだわってきた。
美根代さん:「やっぱり、日本人は畳で布団に限るだがね」
百合子さん:「ふっかふかで体が浮くようなベッドじゃ、寝た気がせんでいかん。やっぱし、古いんやろかぁ(笑い)」
美根代さん:「いや、布団はね、毎日、敷いたり、たたんで押し入れにしまうでしょ。あれが足腰を鍛えてるだがね」
そんな美根代さんは、朝起きて布団をしまうとき、ひとりでに掛け声が出る。
美根代さん:「片足をひょいっと上げてね、『1、2、3』と号令かけて、押し入れのいちばん上の段にしまう。布団を上げられんようになったら、私の人生、ハイ、おしまいというくらいの気合で毎日やっとる(笑い)」
どおりで足腰が丈夫なはずだ。東京都健康長寿医療センター副所長の高橋龍太郎医師も布団での寝起きをすすめる。
「かつての日本は布団を敷いて寝るのが当たり前でした。ベッドに比べ、布団のほうが起き上がるのに足腰を使います。この日常的な動作が足腰の筋肉を維持するのにつながっていました」
年子さん:「そういやぁ、おっかさんも亡くなる寸前まで、“エイッ、ヤーッ”と言うて布団の上げ下ろしをやってござったにゃあ。あの姿…、今も目に浮かぶだがね」
※女性セブン2013年2月14日号