毎年、花粉症に悩まされている人にとって、目を覆いたくなるような予測を先月下旬、環境省が発表した。
発表によれば、今春のスギやヒノキの花粉飛散量は、東日本を中心に例年を大きく上回り、東北南部から関東、東海では昨年比で最大7倍にもなる量の花粉が飛散するというのだ。
同省から調査を請け負っているNPO法人「花粉情報協会」事務局長の佐橋紀男氏が語る。
「花粉を飛ばすスギの雄花は真夏の日照時間が長く、気温が高いほど生育がよくなります。そのため、春に飛散するスギ花粉量は、前年の7~8月の気象条件などから予測できます。
ここ3年ほど猛暑の夏が続いているのですが、昨年は花粉の飛散量が少なかったので、今年は花粉を飛ばす花実を付けた枝がたくさん残っています。そのためにさらに飛散量が増加すると予測しているのです」
環境省によれば、茨城県水戸市、群馬県高崎市など関東北部や名古屋市で飛散量は特に多いと予測されている。
では、この大量の花粉、いったいいつごろから飛ぶのだろうか。前出・佐橋氏が続ける。
「飛散の『開始時期』は1平方センチ当たり1個以上の花粉がある状態が2日以上続くことが条件で、今年は例年並みの2月中旬になると考えられています。しかし、これはあくまで基準に達する時期のことで、もうすでに花粉は飛び始めています。敏感な人の場合はアレルギー反応がいつ出てもおかしくないので、マスクを着用するなどの予防を今からすべきです」
※週刊ポスト2013年2月15・22日号