福士加代子と渋井陽子の対決が注目された1月末の大阪国際女子マラソンでは、もう一つの「女たちの戦い」が繰り広げられていた。この中継に投入された女性解説者は、増田明美、高橋尚子、有森裕子、千葉真子という豪華メンバー。
しかし、「扱い」ははっきりと序列がつけられていた。高橋はスタジアムキャスター、増田は最もコメント機会が多い第1移動車、有森は登場が少ない第2移動車、千葉に至っては小雪が舞う中でのバイクレポートだった。
「中身はともかく、有森の解説はテンションが低いことで有名。彼女が解説を務めたロンドン五輪の女子マラソン中継でも、『解説が暗すぎる』とテレビ局に多くのクレームが寄せられたようです。
一方の増田は、ママさんランナーの小崎まりがスタート前に1歳6か月の息子に母乳をあげていたエピソードや、優勝したガメラシュミルコの夫が外科医である話を披露するなど、記者も思わずメモするほどの情報収集力を見せつけていた」(スポーツ紙記者)
千葉真子の解説は、ある理由で「重みに欠ける」という。
「親しみやすい人柄で根強い人気があるが、独特の甲高いアニメ声がアダとなり、長い解説を聞かされるのは少し厳しい。バイクレポートは過去の大阪国際女子を含めて何度も経験しており、他の解説者よりも頼みやすいという理由でテレビ局がオファーしたようです」(前出・記者)
有森より10歳下の千葉は2003年の世界陸上で3位に入ったのが最高成績で、五輪代表選考レースではことごとく涙を飲んだ。そんな現役時代の不遇は今も続いているということか。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号