「釣魚島、中国的! 不容侵犯」(釣魚島は中国のもの! 侵犯許すまじ)。
首都・北京を中心に、中国大陸を襲う殺人大気汚染。北京市民の中には、どう見てもニセモノにしか見えない有名ブランドのロゴやキャラクターがデザインされたマスクを着ける人も多いようだが、案の定というべきか、今度は“反日マスク”とでもいうべきシロモノが出現した。
上海から南に300kmほど離れた義烏市の問屋街の一角で、中国国旗とともに冒頭のスローガンをあしらったマスクが販売されていた。店員が嬉しそうに話す。
「いいデザインでしょう。大気汚染のニュースが増えるおかげで、もう600枚は売ったね。全土からネット注文が相次いでいて、儲かってますわ」
この業者以外にも、インターネット通販などでは日章旗をバツ印で汚したデザインや、「打倒日本帝国主義」というスローガンを印字したものなど、さまざまな“反日マスク”が売られている。
日本にも影響を及ぼしつつある大気汚染の科はもちろん中国政府にあるのだが、そんなストレスさえも反日感情へと転化し、ビジネスにまでしてしまう中国って、やっぱりヘンだろう……。
撮影・取材■西谷格
※週刊ポスト2013年2月15・22日号