女性議員が要職を占める自民党で、「女の戦い」が激化している。動いたのは「初の女性総理候補」といわれる野田聖子・総務会長だ。1月21日、大阪での講演で女性議員を育成する勉強会の立ち上げを宣言した。
「女性議員は衆院選前の8人から23人に増えた。次の衆院選に勝つため、派閥ではない勉強会をつくり指導したい」
自民党に詳しい政治ジャーナリストはこう解説する。
「野田は前回の総裁選でも出馬に意欲を見せていたから、“次”を狙っての行動でしょう。彼女はもともと酒好きで後輩議員の面倒見もいいので慕われている。橋本聖子や小渕優子、三原じゅん子などの飲み仲間を“野田派”として統率しようという動きの表われだ」
気が気でないのが、自民党三役でライバルといわれる高市早苗・政調会長だ。2人には因縁がある。1月6日のフジテレビ番組内で、女性の社会進出をめぐり口論となったのだ。
「強制的に女性枠を設けないといつまでも活躍の場が生まれない」と訴えた野田氏に、高市氏は「女性だけにゲタをはかせて結果平等をつくるのは過渡的な施策」と批判。野田氏は「高市さんともめるかもしれない」とまで発言した。
「リベラルな野田と保守系の高市はそもそも相容れない。2人は同学年だが、野田が戦後最年少で郵政大臣になったのに対し、高市は2度も落選するなど後塵を拝してきた。それが今回の人事では高市が格上のポストに就いた。野田は橋本や小渕ら子育て議員を束ねて『女性の味方』を演出し、高市に対抗しようとしているのではないか」(同前)
※週刊ポスト2013年2月15・22日号