東日本大震災からまもなく2年──日本周辺で観測史上最大となるM9.0、最大震度7の巨大地震は、これまで数え切れないほどの余震を引き起こしてきた。しかし、最近相次いで発生した「震度5」の地震は、余震ではなく、まったく異質のものだという。
1月31日午後11時58分に発生した茨城県北部を震源とするM4.7の地震は、日立市で震度5弱を観測。常磐自動車道の一部区間が通行止めになった。
そのわずか2日後の2月2日午後11時17分。今度は北海道十勝地方中部を震源とするM6.5の地震が発生した。震度5強を観測した釧路市などで12人が軽傷を負ったほか、840戸で停電、37世帯で断水などライフラインへの影響もあった。
震度5を超えたこの2つの地震について、地震学の第一人者・武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が解説する。
「3.11は日本の東側にある太平洋プレートと北米プレートの境界付近で発生した海溝型地震。しかし今回、茨城と北海道で相次いで発生した地震は陸の活断層が動いたことによる直下型地震でした。震源地も先の震災とは大きく異なるため、全く別の新たな大地震の前兆だったのではないかと考えられるんです」
東日本大震災のようなM9級の海溝型地震の場合、本震発生から少なくとも10年間はM7級の大きな余震を引き起こす可能性があるという。その余震についても心配すべきなか、新たな直下型地震の脅威にもさらされているというわけだ。島村氏がこう警告する。
「十勝にある日高山脈付近は活断層が多く、地震の起きやすいエリア。直下型は揺れが大きく、最大では、震度6強から一部地域では7を記録するのではないかと言われています。
同じように、茨城北部の日立のあたりも直下型の地震が頻発する場所としてよく知られていますが、今回のように震源が深さ10kmと浅いのは非常に珍しいことです。阪神・淡路大震災の時でさえ、震源の深さは16km。震源が浅ければそれだけ揺れは大きくなりますから、今回だってあと少し地震の規模が大きかったら、大震災級の被害が発生した危険性がありました。そういう意味では要注意ですね。もし今後、同じ場所でさらなる巨大地震が発生すると、付近には東海村の原発関連施設もあり、大災害を招いてしまう可能性があります」
※女性セブン2013年2月21日号