世の中にはいくら低価格でも十分に利益が出る商品が存在する。そんな“儲けのカラクリ”を探ってみると、思わず膝を打つような仕組みがあることが判明した。
ネットを調べていると、ミネラルウォーターが1本30円といった激安で売られているのをよく目にする。『飲料ビジネス』編集長の宮下和浩氏が語る。
「ネット販売は店頭に陳列する必要がないので、店頭までの物流費や店舗へのマージンといったコストがかからないのが安さの最大の要因です」
さらに国産よりも輸入品に激安商品が多いのには、こんな理由があるそうだ。大手飲料メーカー社員の話。
「そもそも自動販売機に入っているミネラルウォーターを安くすると他の商品が売れなくなる。その点、海外商品はネットが主な販売チャネルなので思い切った価格設定ができる。水の原価は、はっきりいって日本だろうが、海外だろうがほとんど0に等しい」
スーパーやディスカウント店の店頭でも激安飲料はある。1缶29円の炭酸飲料やコーヒーがそれだ。
「缶飲料はペットボトルに比べて製造ラインのスピードが速く、1分あたり1000本以上といったとんでもない量が作れるので、スケールメリットがある。500ミリリットルのペットボトルに比べて、たくさん箱につめることができるので、物流費を浮かせることもできます」(前出・宮下氏)
100%果汁や、大量のミルクが入っているものは別だが、29円などで売っている缶入り飲料では、缶の原価が10円で中身はそれ以下。缶代のほうが高くついているのである。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号