今年の花粉飛散量は東日本を中心に例年を大きく上回り、最大で7倍になるという。マスクやメガネなど対策グッズも多く出てきているが、グッズを駆使しても、それでもつらいという人には専門医による治療も選択肢となるだろう。
順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学主任教授の池田勝久氏が解説する。
「抗ヒスタミン薬やステロイド薬など様々な薬がありますが、それでもつらい場合や効果が認められない場合には『アルゴンプラズマ凝固治療』が行なわれます。鼻の粘膜を焼灼凝固するのですが、施術時間は約10分で痛みや出血もほとんどありません。保険が適用され費用は1万円程度で、鼻水の約8割、くしゃみの約7割が改善されます。効果は1~2年持続します」
池田氏が重症患者に行なう治療法が、内視鏡による「後鼻神経切除術」だ。
「全身麻酔で手術は1時間程度、4~5日の入院が必要となります。鼻から超音波凝固装置を挿入し、後鼻神経を切断します。くしゃみや鼻水を司る神経を焼き切って炎症を抑えることができます」
費用は保険適用でも20万~30万円とやや高額だが、日常生活に支障が出るほどの酷い症状に悩まされ続けている患者にとっては選択肢のひとつといえるだろう。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号